お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。
今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価はほぼ横ばい。23331.84円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は下落して23350円で引けています。
EPSが目減りだため、PER14倍の上値基準が23,365円まで下がりました。昨日終値が上値上限付近です。
前営業日の欧米市場は?
米国市場
11日の米金融・債券市場はベテランズデーのため休場。[11日 ロイター]
欧州株式市場
ロンドン市場
下落して取引を終えた。香港での抗議デモ激化が市場心理を圧迫し、銀行株や資源株に売りが出た。米中通商協議でトランプ米大統領が慎重な見方を示したことも相場の下押しにつながった。 香港では11日、警官がデモ隊に実弾を発砲し、1人が負傷した。病院関係者によると負傷者は重体。香港で続く抗議デモは24週間目に突入したが、平日の勤務時間帯に暴力行為が起きるのはまれという。[11日 ロイター]
欧州市場
横ばいで取引を終えた。香港での抗議デモ激化やスペインの総選挙結果、さえない中国指標を受けて売りが先行したものの、その後はディフェンシブ株などが買われ、下げ渋る展開となった。スペインで10日投開票された今年2度目の総選挙(下院、定数350)は、極右政党ボックス(VOX)が4月の選挙の倍以上の議席を獲得した。サンチェス首相率いる穏健左派の社会労働党(PSOE)は第1党を維持したものの、議席は減らし、過半数にはさらに遠い状況となった。右派と左派、どちらの勢力も過半数に届かない中で、組閣に向けた各党間の協議が再び難航する可能性も出てきた。[11日 ロイター]
PERから見る日経平均株価の適切な水準は?
PERとは株価収益率を表します。
私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。
その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。
実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。
次に、PERはEPSとセットで考えます。
EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。
株価=EPS×PERです。
昨日の日経平均株価のPERとEPSは
- PER: 13.98003523 倍
- EPS: 1,668.94 円
でした。
EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。
それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。
さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。
世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。
楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展
- PER14倍: 23,365.16 円 →上値メド(楽観シナリオ)
- PER13倍: 21696.22 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
- PER12倍: 20027.28 円 →下値メド(楽観シナリオ)
悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退
- 25SMA: 22,477.75 円
- σ: 678.95 円
ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?
25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。
このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。
11/11を含め25日間の日経平均株価の終値は
- 2019/11/9 23,331.84
- 2019/11/8 23,391.87
- 2019/11/7 23,330.32
- 2019/11/6 23,303.82
- 2019/11/5 23,251.99
- 2019/11/1 22,850.77
- 2019/10/31 22,927.04
- 2019/10/30 22,843.12
- 2019/10/29 22,974.13
- 2019/10/28 22,867.27
- 2019/10/25 22,799.81
- 2019/10/24 22,750.60
- 2019/10/23 22,625.38
- 2019/10/21 22,548.90
- 2019/10/18 22,492.68
- 2019/10/17 22,451.86
- 2019/10/16 22,472.92
- 2019/10/15 22,207.21
- 2019/10/11 21,798.87
- 2019/10/10 21,551.98
- 2019/10/9 21,456.38
- 2019/10/8 21,587.78
- 2019/10/7 21,375.25
- 2019/10/4 21,410.20
- 2019/10/3 21,341.74
です。
ここから25SMAと標準偏差を求めます。
- 25SMA: 22,477.75 円
- σ: 678.95 円
以上を用いて-3σ~+3σを求めます。
25SMAに標準偏差の1倍~3倍の値を足したり引いたりするだけです。
- +3σ : 24515 円
- +2σ : 23836 円
- +1σ : 23157 円
- 25SMA : 22478 円
- -1σ : 21799 円
- -2σ : 21120 円
- -3σ : 20441 円
ボリンジャーバンド水準で見ると11/8は
+2σ : 23754 円<
の下で終値をつけています。
11/8のナイトセッションでは
23450円
のため+2σの下にいます。
まとめ
- 24515 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
- 23836 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
- 23365 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(楽観シナリオ上限)
- 23157 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
- 22478 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
- 21799 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
- 21696 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(悲観シナリオ上限)
- 21120 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
- 20441 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
- 20027 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(楽観シナリオ下限)
- 18358 円 :PER水準で見た場合→PER11倍(悲観シナリオ下限)
米中合意がこのまま順調に推移、かつ欧州危機が遠のけばPER13倍を超えてPER14倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER11倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。
相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。
この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。
参考書籍
ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]
※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。