【2019.12.11】今週はSQ週!日経平均株価はリスクオフで【PER14倍23097円】まで折り返すのか?


お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。

今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価は上昇。23410.19円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は横ばいの23450円で引けています。


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今週の要注意「メジャーSQ」とは?

今週はメジャーSQがあるため要注意です。SQとはSpecial Quotationの頭文字を取ったものです。「特別清算指数」と呼ばれます。

毎月第2金曜日は日経225先物などのSQ精算日です。そのため、材料に関係なくお金を動かす人たちがいます。

SQは当該限月の第2金曜日に算出されます。先物とオプションの両方の精算がある3,6,9,12月の第2金曜日に算出されるものを「メジャーSQ」、それ以外の月の第2金曜日に算出されるものを「マイナーSQ」と言います。つまり、今週はメジャーSQであり、年に4回しかない大きく相場が乱されるイベントが待っています。このSQ日が当該限月の取引の決済日であり、当該限月の取引はその前日までとなります。取引の最終日までに反対売買で決済されなかった建玉は、SQ日にこのSQの値段で強制的に決済されます。

コールオプションやプットオプションは、簡単に言えば精算日に日経平均株価がいくらになるかを予想するゲームです。当たれば大金が入り、外れれば損失です。そのため、当たりを勝ち取るために、都合の良い方向にお金を動かす投機筋と呼ばれるヘッジファンドがいます。このことを念頭に置き、毎月第2週の日経平均株価は乱れる可能性を理解しましょう。

前営業日の欧米市場は?

米国市場

  ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで下落。予想以上に改善したドイツ景気期待指数が材料視された。12日の英総選挙の行方が注目される中、ポンドは対ドルで8カ月ぶり高値を更新した。
ユーロは0.28%高の1.1093ドル。この日発表された12月の独ZEW景気期待指数は10.7と、前月のマイナス2.1から予想以上に改善し、エコノミスト予想(0.0)を上回った。
テンパスのジョン・ドイル氏はユーロ/ドルについて、この日は上昇したものの、これまでのトレンドが大きく変わる公算は小さいと指摘。ユーロは今年対ドルで約3.3%下落している。
週内に米連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、15日に米国の対中追加関税の発動期限が迫る中、為替相場の動きは比較的限定的だった。
市場では、米連邦準備理事会(FRB)とECBがいずれも政策金利を維持するとの見方が大勢となっている。 【株式会社フィスコ】

欧州株式市場

ロンドン市場

  続落して取引を終えた。建機産業機器レンタルのアシュテッドが大幅安となった。ただ米中の関税発動が先送りされる可能性があるとの報道を受け、終盤にかけて下落幅を圧縮した。
アシュテッドは6.2%下落した。英国の市況が厳しいとの見方を示したことが不安視された。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると米中の交渉官は15日に発動予定の関税を先送りする準備を進めている。報道を受け、市場心理がやや好転した。
衣料小売りのテッド・ベーカーは13.4%急落した。日中は約36%安と、2003年以来の安値をつける局面もあった。最高経営責任者(CEO)と会長が辞任するとの急な発表があったほか、過去2カ月間で2度目となる利益見通しの引き下げ、配当停止が嫌気された。[10日 ロイター]

欧州市場

 まちまちで取引を終えた。通商政策に左右されやすい銘柄が売られたが、フランスの製薬大手サノフィの値上がりや、米中が関税を先送りする計画であるとの報道を受け、日中最安値から下落幅を圧縮した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米中が15日に発動する予定の新関税を延期する方向で準備を進めていると双方の当局者が述べた。
キャピタル・エコノミクスの市場エコノミスト、シモーナ・ガンバリーニ氏は「期日が先延ばしされる可能性があることは明るい材料だが、問題解決にはならない」と指摘した。[10日 ロイター]

PERから見る日経平均株価の適切な水準は?

PERとは株価収益率を表します。

私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。

その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。

実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。

次に、PERはEPSとセットで考えます。

EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。

株価=EPS×PERです。

昨日の日経平均株価のPERとEPSは

  • PER: 14.18997194 倍
  • EPS: 1,649.77 円

でした。

EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。

それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。

さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。

世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。

楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展

  • PER15倍: 24,746.55 円 →上値メド(楽観シナリオ)
  • PER14倍: 23096.78 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
  • PER13倍: 21447.01 円 →下値メド(楽観シナリオ)

悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退

  • PER14倍: 23096.78 円 →上値メド(悲観シナリオ)
  • PER13倍: 21447.01 円 →妥当な水準の中心(悲観シナリオ)
  • PER12倍: 19797.24 円 →下値メド(悲観シナリオ)


ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?

25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。

このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。

12/10を含め25日間の日経平均株価の終値は

  • 2019/12/10 23,410.19
  • 2019/12/9 23,430.70
  • 2019/12/6 23,354.40
  • 2019/12/5 23,300.09
  • 2019/12/4 23,135.23
  • 2019/12/3 23379.81
  • 2019/12/2 23529.50
  • 2019/11/29 23,293.91
  • 2019/11/28 23,409.14
  • 2019/11/27 23,437.77
  • 2019/11/26 23,373.32
  • 2019/11/25 23,292.81
  • 2019/11/22 23,112.88
  • 2019/11/21 23,038.58
  • 2019/11/20 23,148.57
  • 2019/11/19 23,292.65
  • 2019/11/18 23,416.76
  • 2019/11/15 23,303.32
  • 2019/11/14 23,141.55
  • 2019/11/13 23,319.87
  • 2019/11/12 23,520.01
  • 2019/11/11 23,331.84
  • 2019/11/8 23,391.87

です。

ここから25SMAと標準偏差を求めます。

  • 25SMA: 23,319.96 円
  • σ: 121.50 円

以上を用いて-3σ〜+3σを求めます。

25SMAに標準偏差の1倍〜3倍の値を足したり引いたりするだけです。

  • +3σ : 23684 円
  • +2σ : 23563 円
  • +1σ : 23441 円
  • 25SMA : 23320 円
  • -1σ : 23198 円
  • -2σ : 23077 円
  • -3σ : 22955 円


まとめ

  • 24747 円 :PER水準で見た場合→PER15倍(楽観シナリオ上限)
  • 23684 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
  • 23563 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
  • 23441 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
  • 23097 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(悲観シナリオ上限)
  • 23320 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
  • 23198 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
  • 23077 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
  • 22955 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
  • 21447 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(楽観シナリオ下限)
  • 19797 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(悲観シナリオ下限)


米中合意がこのまま順調に推移、PER15倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER12倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。

相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。

この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。

参考書籍

ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]


※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。