お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。
今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価は上昇。23529.5円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は反落して23180円で引けています。
前営業日の欧米市場は?
米国市場
ドル・円一時108円台、ダウは下げ止まる NY外為市場ではリスク回避の動きが一段落した。ドル・円は一時株安に連れ108円98銭まで下落し、11月26日以来初めての108円台に突入。その後は、株式相場の下げが一服したため再び109円台を回復している。ユーロ・円は121円02銭の高値から120円70銭まで反落。一時255ドル下落したダウ平均株価はその後下げが一服。199ドル安で推移した。【株式会社フィスコ】
欧州株式市場
ロンドン市場
3営業日続落して取引を終えた。トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンを鉄鋼・アルミ製品の追加関税の対象にすると発言し、通商政策を巡る不安が高まった。米経済指標も売り材料となった。
トランプ氏の発言のほか、 ニュースサイトのアクシオスは週末、「香港人権法に絡み米中交渉が停滞している」と報じた。また、中国の環球時報は第1段階における中国の最優先事項が既存関税の撤回であると報じた。
OANDAのアナリスト、ジェフリー・ハレー氏は「米国がこのような苦い条件を飲
み込むとは思えない。交渉がこんなにも長引いている理由が明らかになってきた」と述べ
た。
この日発表された10月の米建設支出と11月の米製造業景気指数は市場予想を下回
った。[2日 ロイター]
欧州市場
下落して取引を終えた。米国がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼・アルミニウムに対する関税を復活させるとしたことで市場心理が悪化した。 ドイツのクセトラDAX指数<.GDAXI>とフランスのCAC40指数<.FCHI>はともに2%を超える値下がりとなった。
日中は中国やユーロ圏の指標を受け、4年近くぶりの高値を付けるる局面もあった。その後、トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンの鉄鋼・アルミニウムに対する関税を直ちに復活させると表明。両国が自国通貨切り下げで米国の農家に不利益をもたらしていると批判した。[2日 ロイター]
PERから見る日経平均株価の適切な水準は?
PERとは株価収益率を表します。
私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。
その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。
実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。
次に、PERはEPSとセットで考えます。
EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。
株価=EPS×PERです。
昨日の日経平均株価のPERとEPSは
- PER: 14.15998171 倍
- EPS: 1,661.69 円
でした。
EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。
それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。
さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。
世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。
楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展
- PER15倍: 24,925.35 円 →上値メド(楽観シナリオ)
- PER14倍: 23263.66 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
- PER13倍: 21601.97 円 →下値メド(楽観シナリオ)
悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退
- PER14倍: 23263.66 円 →上値メド(悲観シナリオ)
- PER13倍: 21601.97 円 →妥当な水準の中心(悲観シナリオ)
- PER12倍: 19940.28 円 →下値メド(悲観シナリオ)
ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?
25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。
このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。
12/2を含め25日間の日経平均株価の終値は
- 2019/12/2 23,529.50
- 2019/11/29 23,293.91
- 2019/11/28 23,409.14
- 2019/11/27 23,437.77
- 2019/11/26 23,373.32
- 2019/11/25 23,292.81
- 2019/11/22 23,112.88
- 2019/11/21 23,038.58
- 2019/11/20 23,148.57
- 2019/11/19 23,292.65
- 2019/11/18 23,416.76
- 2019/11/15 23,303.32
- 2019/11/14 23,141.55
- 2019/11/13 23,319.87
- 2019/11/12 23,520.01
- 2019/11/11 23,331.84
- 2019/11/8 23,391.87
- 2019/11/7 23,330.32
- 2019/11/6 23,303.82
- 2019/11/5 23,251.99
- 2019/11/1 22,850.77
- 2019/10/31 22,927.04
- 2019/10/30 22,843.12
です。
ここから25SMAと標準偏差を求めます。
- 25SMA: 23,228.11 円
- σ: 202.93 円
以上を用いて-3σ〜+3σを求めます。
25SMAに標準偏差の1倍〜3倍の値を足したり引いたりするだけです。
- +3σ : 23837 円
- +2σ : 23634 円
- +1σ : 23431 円
- 25SMA : 23228 円
- -1σ : 23025 円
- -2σ : 22822 円
- -3σ : 22619 円
まとめ
- 24925 円 :PER水準で見た場合→PER15倍(楽観シナリオ上限)
- 23837 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
- 23634 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
- 23431 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
- 23264 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(悲観シナリオ上限)
- 23228 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
- 23025 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
- 22822 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
- 22619 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
- 21602 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(楽観シナリオ下限)
- 19940 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(悲観シナリオ下限)
米中合意がこのまま順調に推移、PER15倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER12倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。
相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。
この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。
参考書籍
ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]
※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。