お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。
今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価は下落。23293.91円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は微増して23330円で引けています。
前営業日の欧米市場は?
米国市場
下落して取引を終えた。米中通商協議を巡る懸念に加え、年末商戦の幕開けとなる感謝祭明けの「ブラックフライデー」での店舗の集客が例年よりも少なかったことで小売株が売られた。
中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報の胡錫進編集長は28日、ツイッターで、中国が香港の反政府デモを支援する米国の法案を起草した人物を中国本土および香港、マカオへの入国を禁止するリストに載せることを検討していると明らかにした。
またロイターは29日、関係筋の話として、米政府は米国の技術が用いられている海外製品の中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への販売制限を強化する可能性があると報じた。[nL4N2893SG]
S&P総合500種はこの日の安値をやや上回る水準で引けたが、ファーウェイに関する報道を受け、取引終盤は売りが強まった。通商面の影響を受けやすいフィラデルフィア半導体(SOX)指数<.SOX>は1.1%安となった。[29日 ロイター]
欧州株式市場
ロンドン市場
続落して取引を終えた。英総選挙の世論調査で与党・保守党の野党・労働党に対するリード差が縮小したことで国内経済に左右されやすい銘柄が売られた。
パネルベースの世論調査によると、12月12日投開票の英総選挙に向け、ジョンソン首相率いる保守党のリードは8ポイント差に縮小した。1月31日までに英国の欧州連合(EU)離脱を実現するとしているジョンソン氏が首相にとどまった場合、3年半続く離脱関連の先行き不透明感がなくなるとみられており、これまで国内銘柄が買われていた。[29日 ロイター]
欧州市場
まちまちで取引を終えた。米国が香港の反政府デモを支援する法案を成立させたことを中国が強く非難し、米中通商協議が後退することが不安視された。欧州株式相場は週初め、通商協議が進展している兆しを受けて過去最高値に迫った。ただ、トランプ米大統領が香港の反政府デモを支援する法案に署名したことを受けて、中国政府は「断固とした報復措置」を取ると表明した。[29日 ロイター]
PERから見る日経平均株価の適切な水準は?
PERとは株価収益率を表します。
私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。
その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。
実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。
次に、PERはEPSとセットで考えます。
EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。
株価=EPS×PERです。
昨日の日経平均株価のPERとEPSは
- PER: 14.03002488 倍
- EPS: 1,660.29 円
でした。
EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。
それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。
さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。
世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。
楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展
- PER15倍: 24,904.35 円 →上値メド(楽観シナリオ)
- PER14倍: 23244.06 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
- PER13倍: 21583.77 円 →下値メド(楽観シナリオ)
悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退
- PER14倍: 23244.06 円 →上値メド(悲観シナリオ)
- PER13倍: 21583.77 円 →妥当な水準の中心(悲観シナリオ)
- PER12倍: 19923.48 円 →下値メド(悲観シナリオ)
ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?
25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。
このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。
11/28を含め25日間の日経平均株価の終値は
- 2019/11/29 23,293.91
- 2019/11/28 23,409.14
- 2019/11/27 23,437.77
- 2019/11/26 23,373.32
- 2019/11/25 23,292.81
- 2019/11/22 23,112.88
- 2019/11/21 23,038.58
- 2019/11/20 23,148.57
- 2019/11/19 23,292.65
- 2019/11/18 23,416.76
- 2019/11/15 23,303.32
- 2019/11/14 23,141.55
- 2019/11/13 23,319.87
- 2019/11/12 23,520.01
- 2019/11/11 23,331.84
- 2019/11/8 23,391.87
- 2019/11/7 23,330.32
- 2019/11/6 23,303.82
- 2019/11/5 23,251.99
- 2019/11/1 22,850.77
- 2019/10/31 22,927.04
- 2019/10/30 22,843.12
- 2019/10/29 22,974.13
です。
ここから25SMAと標準偏差を求めます。
- 25SMA: 23,198.92 円
- σ: 209.84 円
以上を用いて-3σ〜+3σを求めます。
25SMAに標準偏差の1倍〜3倍の値を足したり引いたりするだけです。
- +3σ : 23828 円
- +2σ : 23619 円
- +1σ : 23409 円
- 25SMA : 23199 円
- -1σ : 22989 円
- -2σ : 22779 円
- -3σ : 22569 円
まとめ
- 24904 円 :PER水準で見た場合→PER15倍(楽観シナリオ上限)
- 23828 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
- 23619 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
- 23409 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
- 23244 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(悲観シナリオ上限)
- 23199 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
- 22989 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
- 22779 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
- 22569 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
- 21584 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(楽観シナリオ下限)
- 19923 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(悲観シナリオ下限)
米中合意がこのまま順調に推移、PER15倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER12倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。
相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。
この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。
参考書籍
ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]
※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。