お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。
今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価は上昇。23,303.32円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は横這いの23360円で引けています。
前営業日の欧米市場は?
米国市場
主要3株価指数が最高値を更新。米中通商合意を巡る楽観論が追い風になったほか、ヘルスケア株の大幅上昇が寄与した。S&P総合500種は6週連続で上昇。週間の連続上昇記録としては約2年ぶりの長さだった。ダウ工業株30種平均は初めて2万8000ドル台に乗せた。カドロー米国家経済会議委員長は14日、中国との通商協議について、両国が電話で緊密に連絡を取り合っていると明らかにするとともに、協議は極めて建設的で合意は近いとの認識を示した。[15日 ロイター]
欧州株式市場
ロンドン市場
反発して取引を終えた。英総選挙で与党・保守党が勝利する可能性が高まったとの見方から、国内経済に左右されやすい銘柄が買われた。米中通商協議に関する明るい兆しも買い材料だった。英野党・ブレグジット党は、与党保守党が議席を持っていない選挙区で立候補者を立てない方針を示した。12月12日の総選挙で過半数確保を目指す保守党に追い風となる可能性がある。保守党の勝利が、英国の欧州連合(EU)離脱を実現させる道とみなされている。英国のEU離脱動向に左右されやすい住宅建設銘柄が買われた。 ポンドが上昇し、国内銘柄が多い中型株で構成するFTSE250種指数<.FTMC>は0.85%上昇した。[15日 ロイター]
欧州市場
反発して取引を終えた。カドロー米国家経済会議委員長が米中通商協議について前向きな発言をしたことで市場心理が好転した。通商政策に左右されやすいSTOXX欧州600種資源株指数<.SXPP>とテクノロジー株指数<.SX8P>の値上がりが目立った。今週は通商協議に関した矛盾する内容の報道があったほか、振るわない経済指標や企業のまちまちな業績見通し、スペイン政治の混乱などで株価が乱高下したが、STOXX欧州600種は週間ベースで小幅に上昇し、6週連続のプラスとなった。[15日 ロイター]
PERから見る日経平均株価の適切な水準は?
PERとは株価収益率を表します。
私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。
その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。
実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。
次に、PERはEPSとセットで考えます。
EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。
株価=EPS×PERです。
昨日の日経平均株価のPERとEPSは
- PER: 14.0100401 倍
- EPS: 1,663.33 円
でした。
EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。
それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。
さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。
世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。
楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展
- PER14倍: 23,286.62 円 →上値メド(楽観シナリオ)
- PER13倍: 21623.29 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
- PER12倍: 19959.96 円 →下値メド(楽観シナリオ)
悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退
- PER13倍: 21623.29 円 →上値メド(悲観シナリオ)
- PER12倍: 19959.96 円 →妥当な水準の中心(悲観シナリオ)
- PER11倍: 18296.63 円 →下値メド(悲観シナリオ)
ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?
25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。
このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。
11/15を含め25日間の日経平均株価の終値は
- 2019/11/15 23,303.32
- 2019/11/14 23,141.55
- 2019/11/13 23,319.87
- 2019/11/12 23,520.01
- 2019/11/11 23,331.84
- 2019/11/8 23,391.87
- 2019/11/7 23,330.32
- 2019/11/6 23,303.82
- 2019/11/5 23,251.99
- 2019/11/1 22,850.77
- 2019/10/31 22,927.04
- 2019/10/30 22,843.12
- 2019/10/29 22,974.13
- 2019/10/28 22,867.27
- 2019/10/25 22,799.81
- 2019/10/24 22,750.60
- 2019/10/23 22,625.38
- 2019/10/21 22,548.90
- 2019/10/18 22,492.68
- 2019/10/17 22,451.86
- 2019/10/16 22,472.92
- 2019/10/15 22,207.21
- 2019/10/11 21,798.87
- 2019/10/10 21,551.98
- 2019/10/9 21,456.38
です。
ここから25SMAと標準偏差を求めます。
- 25SMA: 22,780.54 円
- σ: 555.42 円
以上を用いて-3σ~+3σを求めます。
25SMAに標準偏差の1倍~3倍の値を足したり引いたりするだけです。
- +3σ : 24447 円
- +2σ : 23891 円
- +1σ : 23336 円
- 25SMA : 22781 円
- -1σ : 22225 円
- -2σ : 21670 円
- -3σ : 21114 円
ボリンジャーバンド水準で見ると11/15は
+1σ : 23336
の下で終値をつけています。
11/18のナイトセッションでは
23360円
のため+1σの上にいます。
まとめ
- 24447 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
- 23891 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
- 23336 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
- 23287 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(楽観シナリオ上限)
- 22781 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
- 22225 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
- 21670 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
- 21623 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(悲観シナリオ上限)
- 21114 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
- 19960 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(楽観シナリオ下限)
- 18297 円 :PER水準で見た場合→PER11倍(悲観シナリオ下限)
米中合意がこのまま順調に推移、かつ欧州危機が遠のけばPER13倍を超えてPER14倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER11倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。
相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。
この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。
参考書籍
ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]
※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。