【2019.11.13】日経平均株価の上値追いは危険。PERからの上値基準23,470円


お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。

今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価は上昇。23520.01円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は下落して23440円で引けています。

EPSが上昇したため、PER14倍の上値基準が23,470円まで上がりました。これ以上の上値追いは思わぬところで急落する恐れがあります。様子見または悪材料が出たタイミングに売りで入るのが賢明です。


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前営業日の欧米市場は?

米国市場

 反発して取引を終えた。米中通商協議への期待が相場を押し上げた。業績見通しを引き上げた携帯電話サービス大手のボーダフォンも上昇要因になった。 株式相場は、先週に米中の緊張感が和らぐ兆しを受け上昇した後、週明けはトランプ米大統領が米中通商協議に慎重な見方を示したことで反落した。12日は米国株式市場で2つの主要指標が日中の過去最高値を付け、依然として米中通商協議を巡る見方は明るいようだ。[12日 ロイター]

欧州株式市場

ロンドン市場

 リスクオフ、ダウは下落に転じる、トランプ米大統領の演説に失望感もNY外為市場ではリスク回避の動きが優勢となった。トランプ米大統領の演説で貿易に関する新たな情報なく、失望感から株式相場が下落に転じた。ドル・円は109円24銭から108円94銭まで下落し、日中安値を更新。ユーロ・円は120円32銭から119円95銭まで下落し、1カ月ぶり安値を更新した。ユーロ・ドルは1.1010ドル前後の安値でもみあった。80ドル近く上昇していたダウ平均株価は下落に転じ、39ドル安で推移。米10年債利回りは1.95%から1.91%まで低下した。[12日 ロイター]

欧州市場

 上昇して取引を終えた。好調なドイツの指標と好決算を受け市場心理が好転した。ドイツ欧州経済センター(ZEW)が発表した11月の独ZEW景気期待指数は市場予想よりも大幅に改善した。ドイツのクセトラDAX指数<.GDAXI>は0.65%上昇し、先週付けた約1年10カ月ぶりの高値に迫った。[12日 ロイター]

PERから見る日経平均株価の適切な水準は?

PERとは株価収益率を表します。

私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。

その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。

実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。

次に、PERはEPSとセットで考えます。

EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。

株価=EPS×PERです。

昨日の日経平均株価のPERとEPSは

  • PER: 14.0299867 倍
  • EPS: 1,676.41 円

でした。

EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。

それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。

さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。

世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。

楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展

  • PER14倍: 23,469.74 円 →上値メド(楽観シナリオ)
  • PER13倍: 21793.33 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
  • PER12倍: 20116.92 円 →下値メド(楽観シナリオ)

悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退

  • PER13倍: 21793.33 円 →上値メド(悲観シナリオ)
  • PER12倍: 20116.92 円 →妥当な水準の中心(悲観シナリオ)
  • PER11倍: 18440.51 円 →下値メド(悲観シナリオ)

ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?

25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。

このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。

11/12を含め25日間の日経平均株価の終値は

  • 2019/11/12 23,520.01
  • 2019/11/11 23,331.84
  • 2019/11/8 23,391.87
  • 2019/11/7 23,330.32
  • 2019/11/6 23,303.82
  • 2019/11/5 23,251.99
  • 2019/11/1 22,850.77
  • 2019/10/31 22,927.04
  • 2019/10/30 22,843.12
  • 2019/10/29 22,974.13
  • 2019/10/28 22,867.27
  • 2019/10/25 22,799.81
  • 2019/10/24 22,750.60
  • 2019/10/23 22,625.38
  • 2019/10/21 22,548.90
  • 2019/10/18 22,492.68
  • 2019/10/17 22,451.86
  • 2019/10/16 22,472.92
  • 2019/10/15 22,207.21
  • 2019/10/11 21,798.87
  • 2019/10/10 21,551.98
  • 2019/10/9 21,456.38
  • 2019/10/8 21,587.78
  • 2019/10/7 21,375.25
  • 2019/10/4 21,410.20

です。

ここから25SMAと標準偏差を求めます。

  • 25SMA: 22,564.88 円
  • σ: 667.25 円

以上を用いて-3σ~+3σを求めます。

25SMAに標準偏差の1倍~3倍の値を足したり引いたりするだけです。

  • +3σ : 24567 円
  • +2σ : 23899 円
  • +1σ : 23232 円
  • 25SMA : 22565 円
  • -1σ : 21898 円
  • -2σ : 21230 円
  • -3σ : 20563 円

ボリンジャーバンド水準で見ると11/8は

+2σ : 23754 円<

の下で終値をつけています。

11/8のナイトセッションでは

23450円

のため+2σの下にいます。

まとめ

  • 24567 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
  • 23899 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
  • 23470 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(楽観シナリオ上限)
  • 23232 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
  • 22565 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
  • 21898 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
  • 21793 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(悲観シナリオ上限)
  • 21230 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
  • 20563 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
  • 20117 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(楽観シナリオ下限)
  • 18441 円 :PER水準で見た場合→PER11倍(悲観シナリオ下限)

米中合意がこのまま順調に推移、かつ欧州危機が遠のけばPER13倍を超えてPER14倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER11倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。

相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。

この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。

参考書籍

ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]


※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。