【2019.11.08】日経平均株価の上昇上限23754円。その根拠は?


お読みいただきありがとうございます。サラリーマンの筋太郎です。

今回も日経平均株価の相場分析です。前営業日の日経平均株価はほぼ横ばい。23330.32円で取引を終えました。日経225先物ナイトセッションでは日経225先物期近は上昇して23520円で引けています。


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前営業日の欧米市場は?

米国市場

 リスクオン一服、米中関税撤廃への期待が後退NY外為市場ではリスク選好の動きが一段落した。ドル・円は109円49銭の高値から109円25銭まで反落。ユーロ・円は120円90銭付近から120円80銭まで反落した。朝方は米中当局者が「第1段階」の貿易合意の交渉で段階的な関税の撤廃が含まれることを明らかにしたため、景気見通しが改善しリスク選好の動きやドル買いに拍車がかかった。その後、ホワイトハウスは、「対中関税撤廃は決定事項ではない」と依然慎重な姿勢を見せた。このため期待感が後退。米国株式の上げ幅も縮小。一時280ドル近く上昇したダウ平均株価は204ドル高で推移した。
[7日 ロイター]

欧州株式市場

ロンドン市場

 続伸して取引を終えた。米中通商協議への期待から鉱業株やアジアへのエクスポージャーが高い銀行株が買われた。英中銀イングランド銀行(BOE)の政策決定会合で2人の委員が利下げを主張したことや好決算が材料視され、中型株の値上がりが目立った。 米中は互いに発動している追加関税を段階的に撤廃していくことで合意した。 英中銀の政策決定会合では2人の委員が利下げに票を投じた一方、カーニー総裁を含むその他の委員は、世界経済や英国の欧州連合(EU)離脱を巡るリスクが軽減されなかった場合は利下げを検討すると述べた。[7日 ロイター]

欧州市場

 5営業日続伸し、4年超ぶりの高値で取引を終えた。米中通商協議が進展している兆しから買い意欲が強まった。好決算も買い材料だった。 中国商務省は、米中が互いに発動している追加関税を段階的に撤廃していく合意に向けて協議していると述べた。[7日 ロイター]

PERから見る日経平均株価の適切な水準は?

PERとは株価収益率を表します。

私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。

その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。

実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。

次に、PERはEPSとセットで考えます。

EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。

株価=EPS×PERです。

昨日の日経平均株価のPERとEPSは

  • PER: 13.75000442 倍
  • EPS: 1,696.75 円

でした。

EPSが横這いならば日本企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。

それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。

さて、日経平均株価のPERから下記の基準が考えられます。

世界経済が楽観的に進む場合と悲観的に進む場合で2つのシナリオを想定しました。

楽観シナリオ:欧州危機、米中協議が妥結して世界経済発展

  • PER14倍: 23754.50 円 →上値メド(楽観シナリオ)
  • PER13倍: 22057.75 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
  • PER12倍: 20361 円 →下値メド(楽観シナリオ)

悲観シナリオ:欧州危機、米中協議が決裂して世界経済後退

  • PER13倍: 22057.75 円 →上値メド(悲観シナリオ)
  • PER12倍: 20361 円 →妥当な水準の中心(悲観シナリオ)
  • PER11倍: 18664.25 円 →下値メド(悲観シナリオ)

ボリンジャーバンドから見る日経平均株価は?

25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。

このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。

11/6を含め25日間の日経平均株価の終値は

  • 2019/11/7 23,330.32
  • 2019/11/6 23,303.82
  • 2019/11/5 23,251.99
  • 2019/11/1 22,850.77
  • 2019/10/31 22,927.04
  • 2019/10/30 22,843.12
  • 2019/10/29 22,974.13
  • 2019/10/28 22,867.27
  • 2019/10/25 22,799.81
  • 2019/10/24 22,750.60
  • 2019/10/23 22,625.38
  • 2019/10/21 22,548.90
  • 2019/10/18 22,492.68
  • 2019/10/17 22,451.86
  • 2019/10/16 22,472.92
  • 2019/10/15 22,207.21
  • 2019/10/11 21,798.87
  • 2019/10/10 21,551.98
  • 2019/10/9 21,456.38
  • 2019/10/8 21,587.78
  • 2019/10/7 21,375.25
  • 2019/10/4 21,410.20
  • 2019/10/3 21,341.74
  • 2019/10/2 21,778.61
  • 2019/10/1 21,885.24

です。

ここから25SMAと標準偏差を求めます。

  • 25SMA: 22,355.35 円
  • σ: 645.75 円

以上を用いて-3σ~+3σを求めます。

25SMAに標準偏差の1倍~3倍の値を足したり引いたりするだけです。

  • +3σ : 24293 円
  • +2σ : 23647 円
  • +1σ : 23001 円
  • 25SMA : 22355 円
  • -1σ : 21710 円
  • -2σ : 21064 円
  • -3σ : 20418 円

ボリンジャーバンド水準で見ると11/7は

+2σ : 23647 円<

の下で終値をつけています。

11/8のナイトセッションでは

23520円

のため+2σの下にいます。

まとめ

  • 24293 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
  • 23755 円 :PER水準で見た場合→PER14倍(楽観シナリオ上限)
  • 23647 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
  • 23001 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
  • 22355 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
  • 22058 円 :PER水準で見た場合→PER13倍(悲観シナリオ上限)
  • 21710 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
  • 21064 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
  • 20418 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
  • 20361 円 :PER水準で見た場合→PER12倍(楽観シナリオ下限)
  • 18664 円 :PER水準で見た場合→PER11倍(悲観シナリオ下限)

米中合意がこのまま順調に推移、かつ欧州危機が遠のけばPER13倍を超えてPER14倍まで上昇する可能性があります。一方、再び米中対立や英国EU離脱の危機に転じればPER11倍を割り込む恐れもあります。いずれにしてもPERの整数倍の水準で一度調整や折り返しが入ることでしょう。

相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。

この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。

参考書籍

ゾーン 相場心理学入門 (ウィザードブックシリーズ) [ マーク・ダグラス ]


※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。